思った以上に長くなった愚痴の後半です。
愚痴の後半て。
で、今回も一つ一つ解説していこうかなと思ったのですが、
それだとキリが無いので今回はコペおじが思ったことを
書いて終わりたいと思います。
この問題は自動車会社以外で製造業、果までには
コペおじが働いているエンジニア業でもありうることだと思いますので
色々考えさせられる問題だと思いました。
目次
そもそもなんで不正しちゃったの?
いきなり核心をついた話からしたいと思います。
で、これだけははっきり言えるのですが
従業員レベルが自ら進んで
不正をすることはありません!
なぜかと言いますと、メリットがないからです。
ここの性格にもよりますが
一部工程を省いたり偽って作業してもお給料が増えるわけでもないですし、
褒められることはありません、むしろ見つかって怒られるだけです。
じゃあ、なんで不正が起きるか?
不正せざる負えない原因があるからです。
この工程はめんどくさいから
時間がなくて切羽詰まっていたから
失敗は許されないという大きな圧力を受けていたから
といった原因が主なものなんじゃないかなと思います。
普通に作業していたら間に合わない、
失敗するから不正をして無理やり完成させるのです。
ここでは報告書から不正の理由を抜粋して書いていこうと思います。
他の検査でOKもらってたから検査自体を実施しなかった
コペンでいうと、衝突実験時により速い速度で試験して問題なかったので、試験で対象だった遅い速度での試験を実施しなかったというものがありました。
これね、人によっては「このぐらい良いんじゃないの?」と思われることではあるんですが……
元により早いスピードで衝突したときはクリアしてますからね、
衝突耐久性に余裕があるとも言えます。
でもコペおじはプログラマーという作る側の立場なので
この問題に対してはちょっと眉をひそめます……
速い速度でぶつかった時がOKでも
他の速度でぶつかったときはNGになることがあるからです。
高速道路での交通事故では人命を守れたのに
一般道での事故では怪我を合わせてしまったみたいな感じです。
コペおじの職業で考えると
Aという動作はOK、Bという動作もOK、
AとBの動作を組み合わせるとバグが発生してNGになると言った感じです。
不具合というものは色んな要素の複合的に合わさって起きます。
試験テストというものはその要素を加味して作成されているので、
その通りに行わないと意味がないのです。
そして、この不正を起こした理由が「納期に合わせるため」のようです。
一つ一つ試験してたら納期に間に合わないために端折った感じですね。
じゃあこの納期を設定したのは?
そう、経営側の人間です。
理解不足、連携不備で間違った成績書を書いた
これね、ダイハツさんのような大きな企業でもこんなミスするんか……
コペンの場合ですと、光軸調整でレベリング機構がないので実験報告書では「斜線(対象外)」としていたのに、成績書では試験を合格した「適」と記載したことです。
車によっては機能がなくて試験しなくていいものがあるのですが、
理解、連携不足で試験していない項目で正常に動くとしてしまった様です。
これ、車検時どうやって対応したんだろう……
試験場の人混乱しなかったんかな。。。
これは誰かに確認すればなんとかなった問題なのですが、
なにか聞けない雰囲気になっていたんでしょうか?
間に合わせるため別の数値を使って成績書を作った
タフトであった問題です。
左右の衝突試験でデータを取る際に片方だけ実施して
片方をそのデータを流用して実施したように見せかけたものですね。
自動車は左右対称なものが多いので問題ないと思ってと書かれてありましたが
これも「他の検査でOKもらってたから検査自体を実施しなかった」で書いたように不具合というものは複合要因が大きいので、しっかり左右やるべきだと思います。
あとウインドウォッシャー液の勢いが規定より低かったので偽ったとか
全体的に細かいところを削ってる印象がありました。
失敗しないために部品を加工した
これでびっくりしたのが、
環境性能を取るために、エンジンのポート研磨、ボアアップ(ほんの僅か)、などエンジンを色々いじって達成したと書かれてありました。
レーシングカーでも作ってたのか……
まあエンジン性能上げれば排気量に対してのパワーは増えますけど……
あと触媒を新しいものに交換してよりエコ性能の数値を良いように見せた物もありました。
環境に対する配慮も必要ではありますが、
不正してまで達成することに意味はあるんでしょうか?
現在の製造技術と政府が求めている環境性能が合ってない気がします。
じゃあ、なんでこんなことをし始めたのか?
一つの成功体験が狂わせたようです。
ミライースの成功が逆に仇となったようです
ミライース、ダイハツさんの主力車種で、
色んな車もここから派生しています。
ミライースってダイハツさんの中ではとても大きな1台だったようです。
- 短期間で開発できて
- 環境性能も高く
- コストを抑えて開発できた
この3つを揃えて開発できたそうです。
そしてミライースは売れました。
よかったよかった。
で終わればよかったのですが
この成功例に囚われてしまい、これからの車の開発にも短納期、高環境性能、低コストを求めるような組織になってしまったようです。
元にミライースが開発できたんだから
他の車でも可能だろうと思ったのでしょう。
そして報告書でも取り上げられていましたが
経営側の人間が現場を見ない環境になっていたようで
報告書などの数値を追いかけるようになっていきました。
そのため、実情を知らないので実現可能に近いような
高性能、低コスト、高環境性能を求めるようになります。
開発側はどのように答えたか?
- 試験を減らしてコストを抑え
- やり直しが出来ないので不正で試験を乗り越え
- 不正をして環境性能を担保し
- 期間が短いので連携が取れず不正が不正を呼んだ
という最悪な結果が出てしまいました。
会見でダイハツ、トヨタの経営陣がしきりに謝ってましたね
悪いのは経営側だと
コペおじもプログラマーですが同じような会社に勤めていたことがあり、
同じようにバグやエラーが頻発していました。
人は余裕が無いと正常な思考をなくします。
素晴らしい技術を持っている人でもミスが頻発します。
会社全体で改善に取り組まないとまた同じことをします
実際に不正を行った作業員や設計者も悪いですが
同じくらいにその環境を作った経営側も罪があります。
幸いだったのがトップの社長、副社長が罪を認めたことですね。
どっかの中古車販売業は社長は白を切って副社長は逃げましたが、
その後の会社は相変わらず違法に近い修理や売り込みをしていると聞きます。
上が間違いと認めれば、少なくとも今まで行った行為は止まります。
上が認めてないとそのままズルズルと今までのやり方が続いていきます。
ダイハツさんにとっては今が一番苦しい時だとおもいますが
なんとか持ちこたえてコペンやシャレード・デ・トマソ、ストーリアX4のような変な車を定期的に出してくれるようになってくれたらいいなと思っています。